電線管サイズの選定方法|占有率と通線性を施工管理者向けに解説

ELECTRICAL CONSTRUCTION MANAGEMENT

電線管サイズ選定の
基本と現場での判断ポイント

占有率だけでなく、通線性と施工性まで考えた電線管選定を解説します。

電線管のサイズ選定では、電線やケーブルが物理的に収まることに加えて、施工時に無理なく通線できることが重要です。

図面上では問題がないように見えても、長距離配管や曲がりの多いルートでは通線が難しくなることがあります。施工管理者は占有率だけで判断せず、実際の施工性や将来の増線まで考えてサイズを確認する必要があります。

この記事で分かること
  • 電線管サイズを選定する基本的な考え方
  • 占有率の確認が必要な理由
  • 通線性を左右する現場条件
  • 施工管理者が確認したいポイント

電線管サイズの選定が重要な理由

電線管は、電線・ケーブルを保護し、配線を安全に施工・維持するための設備です。サイズが小さすぎると通線作業が困難になり、ケーブル外装の損傷、引込み不良、施工時間の増加につながるおそれがあります。

反対に、必要以上に大きな電線管を選ぶと、材料費や施工費が増える場合があります。安全性・施工性・コストのバランスを考えて選定することが大切です。

🛡️
電線を保護する
外傷や環境から守る
🔧
施工性を確保する
無理なく通線できる
📈
将来の変更に備える
増線・更新を考慮する

占有率とは

占有率とは、電線管の内側の断面積に対して、収容する電線・ケーブルの断面積が占める割合のことです。

占有率の基本的な考え方

占有率 = 電線の合計断面積 ÷ 電線管の内断面積 × 100

占有率が高くなりすぎると、電線同士が詰まり、通線時の摩擦が大きくなります。特にケーブルが太い場合や、複数の回路を同一管へ収容する場合は注意が必要です。

確認時の注意
占有率の扱いは、電線の種類・本数・太さ・適用される規程や設計条件によって異なります。施工時は、必ず設計図書・仕様書・適用規程を確認してください。

サイズ選定で確認する4つの条件

確認項目 確認する内容
電線・ケーブルの種類 IV、CV、CVT、VVF、制御ケーブルなど、仕上外径が異なります。
本数・心線数 同一管に収容する電線を漏れなく数えます。
管種・管の内径 C管、E管、G管、VE管、PF管などで内径が異なります。
配管ルート 長さ、曲がり、立上り、施工場所を確認します。

代表的な電線管の特徴

金属管

薄鋼電線管・ねじなし電線管・厚鋼電線管など。露出配管や強度が必要な場所で使用されます。

硬質塩化ビニル管

腐食に強く、軽量で加工しやすい管です。屋外や地中、腐食環境などで採用されることがあります。

可とう管

PF管・CD管など。柔軟性が必要な隠ぺい配線やコンクリート埋設などで使われます。

占有率だけでは不十分|通線性も確認する

計算上は収容可能なサイズでも、施工しにくいケースがあります。施工管理では、以下の条件を必ず確認しましょう。

  • 配管距離が長すぎないか
  • 曲がりが多すぎないか
  • 曲がり部分に余裕があるか
  • ケーブルが重く、引込み張力が大きくならないか
  • 既設配線があり、通線スペースが限られていないか
  • 将来の増線や改修の可能性があるか

特に、長距離・多曲がり・太径ケーブルの条件が重なる場合は、基準上の最低サイズではなく、余裕を持たせた選定が現実的です。必要に応じてプルボックスの設置やルート変更も検討します。

施工管理者向けチェックリスト

施工前に確認したい項目

□ 図面上の電線・ケーブル種類とサイズを確認した

□ 収容本数、予備線、接地線を含めて確認した

□ 管種と呼び径だけでなく、実際の内径を確認した

□ 配管ルートの距離と曲がり数を確認した

□ 他工種との干渉や施工順序を確認した

□ 将来の増線・改修を考慮した

□ 変更があれば設計者・関係者と共有し、記録を残した

電線管サイズをツールで確認する

電線の種類・サイズ・本数を入力するだけで、管種ごとの候補を確認できると、施工図チェックや打合せがスムーズになります。

電線・ケーブルの条件から管サイズを確認

電線管サイズ算出ツールを使う →

まとめ

電線管サイズの選定では、占有率の確認が基本になります。しかし、実際の現場では配管距離、曲がり、ケーブルの重量、通線順序など、計算だけでは判断できない要素も多くあります。

施工管理者は、図面と実際の施工条件を照らし合わせ、無理なく安全に通線できるサイズかを確認することが重要です。迷った場合は、設計図書・仕様書・メーカー資料を確認し、関係者と早めに調整しましょう。

※本記事は電線管サイズ選定の基本的な考え方を解説したものです。実際の設計・施工では、設計図書、適用法令・規程、メーカー資料、所轄検査機関などの指示を必ず優先してください。